私は美容師という仕事を選んで心から良かったと思っています。それは20年以上たった今もより向上しています。
美容師という職業には良いところがたくさんあります。
私が美容師になったきっかけは、高校生の時にテレビで「ビューティフルライフ」というドラマで、木村拓哉さんが演じる美容師「柊二」に憧れたのと、シザーズリーグという美容師の対決テレビでカリスマ美容師がカッコ良かったのがきっかけです。
華がある業界なのかと飛び込み、20年以上たった今でも美容師になって良かったなと思っています。
私が感じる「美容師になって良かったと思えること」をまとめてみました。
これから美容師になろうと検討している方や、美容師になったけど壁にぶつかり悩んでいる方が、がんばれるきっかけになっていただけたら幸いです。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
美容師は「モテる」
ここでいう「モテる」というのは、異性も同性も関係ありません。
学生時代の同級生などが髪切ってよ〜って言ってくれる機会が多くなります。
どうしても社会に出れば疎遠になってしまいがちな同級生が定期的に髪を切りに来てくれたりするので、その都度懐かしい話になったりします。
学生時代の友達って宝物だなって私は思います。
私が美容師アシスタントの頃はSNSが無く、気軽に自分の行動を発信することができませんでしたので、一部の友人しか私が美容師をやっているのを知りませんでした。
私が美容師をやっている、ということを皆に知ってもらうには、友達との誘いに顔を出したりするしかなかったのですが、私は早くスタイリストになりたかったので、自宅に帰っても練習し、次の日の営業に備え遊びにも行かず、友達の誘いを断り続けていました。
次第に誰からも誘われなくなってしまい、気づいたら美容師との付き合いしか無くなってたのです。今思えばとても寂しいことだと思います。
それからしばらくしてからフェイスブック、インスタグラムなどのSNSが流行り出し、学生時代の友人ともSNSで再会を果たし、美容師であることを知った友人がお店に来てくれるようになりました。
仕事で友人に堂々と会えるのって、美容師の特権だなって思います。お客様として来てくれてるのでもちろんお代もいただきます。
髪はどんな人でも伸びますし、需要はありますので、やろうと思えば友達全員を呼ぶことができます。笑
もちろん友人とはいえお客様で来てくれてるので最高におもてなしをして、ヘアーを通じて喜んでもらいたいので技術や知識も最高のものにしなければいけません。
社会人になって緊張感のある日々を送っているなか、学生時代の友人と会う、それもお店に定期的に来てくれればこんなに嬉しいことはありません。
別の業種の仕事をしている友人であれば異業種の話を聞くだけで勉強になります。
注意点としては、友達だからといって過度な割引きをするのはオススメしません。美容師としてプロフェッショナルの仕事は友達でもお客様でも営業中は変わりません。
もしお金を使わせたくなければ、お休みの日に自宅でやってあげるのもありですが、やりすぎると自分の休みがなくなってしまうので注意が必要です。
私もスタイリストデビューまもないころ、毎月友人にカットなどをお願いされていました。
次第にエスカレートしていき、友達の友達、など人数が増えていき、月の休みの半分以上を自宅などで施術していたこともあります。
限界を感じてお店に来てもらうようお願いすると、そのまま音信不通になった友人もいます。過度な割引き要求をしてくる友達はホントの友達ではないのかもしれませんね。
技術職なのでやった分だけ上手くなる
美容の仕事は技術職なので正解がありません。唯一の正解はお客様が喜んでくださった時です。
何年やっても技術に終わりがなく、やればやるほどレベルが上がっていく、そんな仕事です。
ロールプレイングゲームのレベル上げに似ている感覚です。できなかった技術ができるようになったりするとすごく嬉しくなります。
そして上手くなった先にお客様が喜んでくれる→良い口コミなどをいただける→指名になっていただける。この感覚は20年以上やっても嬉しさに変わりありません。
髪の毛って1人平均10万本生えていると言われています。10万本の髪を形にするって終わりは無いんですよね。
美容の仕事はサロンワークだけではなく、自分が作ったヘアスタイルを作品として残すこともできます。撮影も数をこなすほど上達していきます。
現場の仕事でも同じことが言えますが、経験はすごく大事で、撮影会でモデルさんを撮影すると100枚撮って良い写真は1~2枚だったりします。
それくらい奥が深く、1枚の写真の中でヘアースタイルも表情も完璧にしなければいけません。
サロンワークの時にはないクリエイティブな時間なのです。撮影は技術のレベルアップにはとても最適です。
普段サロンワークでは撮影の写真ほどクリエイティブには作りません。美容師としてこれ以上ない最高なスタイルを1枚の写真のなかで作成します。
美容師は大半がデザイナーとしての気質があるのではないでしょうか?撮影の経験がある美容師ならそう感じると思います。
自分の成長をダイレクトに感じられる職業はやりがいもでますので毎日が楽しくなります。美容師はそんな仕事です。
もちろん上手くいかないことや何度もトライしてもできないこともあります。そんな時は周囲の人に相談し、自分の心を最大限素直になれるよう頑張ってみましょう。
どんなに不器用でも素直さと謙虚さがあれば必ず乗り越えられます。
アシスタント時代はどうしても雑務が多くなってしまいますが、美容師のスタートラインはスタイリストになってからです。アシスタント時代に辞めてしまうのはとてももったいないのです。
ただ、練習をちゃんと教えてもらえない、ハラスメントがひどいなど、アシスタントの方ではどうしても変えられない環境であれば、お店を変えるのも有りかもしれませんね。
スタイリストの方であればオーナーや店長にもっとこうしたい、など相談をしてみましょう。
人間性が上がる
美容師の仕事で結果を出すには人間性は必要不可欠です。
なぜならお客様との距離が近いからです。距離の近さというのは実際の体の近さもありますが、心の距離というのもあります。
お客様から支持されるには人としてお付き合いする必要があるのです。
技術を学ぶ時も同じです。指導する方も人ですから感情があります。愛される人は熱心に指導してもらえるでしょう。
最初から人間性が高い人は多いわけではありません。美容師という職業に対して真剣に取り組んでいれば必ず人間性は向上します。
一生懸命に取り組んでいる美容師なら多くの人が経験すると思いますが、自分が担当したお客様が喜んでくださった時の嬉しさは忘れられません。
その想いをしたくてまた頑張れます。
お客様の笑顔が美容師の活力
アシスタント時代でも同じで、心をこめてシャンプーしたりマッサージしたりするとお客様に絶対に伝わります。
お客様にしてみたら自分の体の一部を触らせているわけですから、これは相当な覚悟です。
そこを理解した上で施術すると、心をこめてやらせていただく以外に選択肢はありません。
弊社サロンでは全スタッフほんとによくお客様にシャンプーを褒めていただいています。
弊社スタッフは教育をしっかり考えていてくれていて、よくシャンプーモデルをやってくれたりサポート体制が整っています。なのでアシスタントもお客様からありがとうと言っていただける機会が多いのです。
ありがとうの数が多い美容師がたくさんのお給料をいただける。美容師という職業はそんな良い仕事なのです。
様々な分野の知識が増える
お客様は様々な立場の方がいらっしゃいます。
お客様との距離が近い分、お話も多岐に渡ります。そのため情報収集も広い分野から集めてくる必要もあります。
芸能の話題や政治経済の話、時事ニュースなどもある程度知っておくと良いでしょう。
話題が豊富であれば、多くのお客様との会話をすることができます。
そうなると、専門知識をもったお客様と会話が弾んだりしてくるので、より深い知識を教えていただくことも珍しくありません。それこそセミナー級のお話もです。
私のお客様で心理カウンセラーのお客様がいらっしゃいます。
その方にはいつも貴重なお話をいただいていて、それがきっかけで私は様々な心理学の本を読み、知識が増えお店のチームワーク向上のきっかけを作ることができました。
今ではさまざまな分野のプロフェッショナルのお客様がいらっしゃいます。接客中の会話が有料セミナー級になることもあります。(お客様にとっては貴重なプライベートのお時間なので、そこであまりしつこく仕事の話を教えてください、というのも失礼に当たります。しっかり人間関係を構築する必要があります。)
美容師はオシャレに制限がない
私が美容業界に入った理由がもう一つあります。それは、耳を出したヘアースタイルでスーツを着て働くのが嫌だったからです。
高校生のころは木村拓哉さんが大人気で、みんな髪型を真似したりしてました。ツイストパーマをかけたりメッシュを入れるのも流行ってました。
そんな高校生活を過ごしていたので、社会人になったらスーツ着て普通の髪型になるのが嫌だと思っていたのです。
今ではスーツも大人の男らしくかっこいいなと思いますが。
2023年現在でもお客様のヘアースタイルのオーダーとして、お仕事上制限がかかってるケースはまだまだ多い印象です。
美容師は逆に制限は無く、色々なヘアースタイルをしたり、1番可愛くかっこいいヘアースタイルにしなければいけません。
女性のネイルはダメと言われている美容室もあるみたいですが、弊社ではスタッフに逆にオススメしています。
洋服もそうです。美容師はトレンドを取り入れたりオシャレにはより気をつけることが求められます。
お客様からしたらオシャレで素敵な美容師に担当してもらいたいものです。
弊社では月に1万円までネイル代、お店で着る洋服代を補助しています。美容師のオシャレライフ補助金です。
これはスタッフからも好評で、カラーで汚れそうなものも買い替えられるのは良いと好評です。
オシャレが好きな人やヘアースタイルを最先端にしたいなどの想いがある人は美容師としてとても向いていると思います。
自分次第で生活が豊かに
美容師の仕事は売上というのがどうしてもつきものです。評価制度は美容室によってさまざまだと思いますが、売上が高いほど給料が高いというのはどこの美容室も同じでしょう。
美容師の仕事はやり方によっては売上はいくらでも上げられます。
美容師が1人で1カ月いくら売上を上げるかの指標として、生産性80万円というのがあります。(地域相場にもよりますが)
生産性80万円という数字は悪くない売上です。やり方によっては100万円、200万円を1人であげることも可能です。
1人で月に100万円売り上げれば40万円〜50万円ほどの給料も可能でしょう。200万円売り上げればさらに高くなります。当然簡単なことではないのですが、努力次第では可能です。
また、お休みを優先した働き方も可能です。
美容師業界を良くしたいと思っている美容室オーナーは多く、2023年現在では働き手側の待遇が業界全体的に良くなってる傾向です。弊社も働き方改善に全力で努めています。
私はお客様から支持を得られる美容師は自由な働き方で良いのではと思っています。
お客様からどうしてもあなたがいい!と言っていただければ、お休みをとってもお客様の方が美容師の都合に合わせてくれます。
そこまで行くにはかなりの努力も必要ですが、技術や接客スキルなど1度身についてしまえば簡単に失われることはありませんので、若いうちに苦労しておけば、長く安泰します。
美容師の仕事は職人気質なものでもあります。
それは単価を高く狙うのか低いのかでも変わりますが、私は単価の高い仕事を心掛けています。単価が高い方が時間が自由の効くことが多かったからです。
まとめ
美容師は楽しい仕事です。
ヘアースタイルをデザインする、お客様との関係性を深める、トレンドを感じるなど、ファッションからメンタル面まで様々な大事な要素があり、これらを習得するにはとても大変ですが、とてもやりがいがあります。
私が美容師で良かったと思えるのは、美容師の仕事が楽しくて、やればやるほど好きになれたことです。
アシスタント時代より、スタイリストになってからそのように感じることが多くなりました。
高校生のころに華やかな世界を想像し、アシスタント時代は雑務が多くなり現実的なことを感じていましたが、スタイリストになり、お客様を1から担当するようになってからやっぱり華やかでかっこいい仕事だな、と感じることが多くなっていきました。
大変なことも多々あります。練習しても上手くいかない技術や、お客様に叱られてしまうこともあるでしょう。私にも経験があります。
これを読んでいただいた美容師の皆さんには是非大変なことを乗り越えてその先にある楽しさ、華やかさを掴んでいただければ幸いです。
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