1位を取った人にしか見えない景色があります。
努力すればみんな1位になれるわけではありませんが、努力したものだけが見える景色が必ずあるのです。
私は18歳で美容師業界に入り現サロンに就職しました。就職時は2店舗でしたが毎年店舗が増えつづけて、スタイリストデビューをする20歳のころには7店舗に増え、スタッフも60名近くなっていました。
私は数字に対する意識と、毎月出る売上を基にした成績ランキングをとても意識していて、常に上位になりたいと仕事に励んでおりました。
結果的に、23歳の頃にはランキングで上位に組み込むことができ、23歳で副店長、26歳で新店舗の店長、29歳でフランチャイズオーナーに就任し、お客様はじめ、スタッフ達の助けもあり、10年以上ランキング指名売上1位を維持し続けています。
美容師の成績は数値で出てきます。グループの中で、私のサロンでは単価を下げない戦略をとっていますが、指名売上を上げるために何をしてきたか、どのようなマインドになるべきかをいくつかご紹介していきます。
明日からの行動の参考になれば幸いです。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
休みの日やフリーの時間も練習した
私がアシスタントだった2000年ごろは、朝9時から夜19時までの営業時間、練習会は営業後に2時間、22時くらいまででした。
私はその練習時間に加え、自宅にもウィッグを設置していて、当日教えていただいた技術を復習したり、営業中に先輩や同僚の技術をみて覚えたものを練習していました。
サロンでの練習が大体一日2時間で、プラス自宅で2時間くらい練習をしていました。週に5日20時間くらいの練習時間です。
そして火曜日はセミナーに行ったり、青山、表参道エリアに行ってファッションの勉強。
毎月1度カリキュラムのチェックテストがあったのですが、私は全カリキュラムの中で技術テストに不合格をしたことがほとんどありませんが、最初のシャンプーの時に何度か不合格になった経験があります。
2ヶ月くらいシャンプーの練習をすることになったので、その間に同期が新しい技術に進んでいるのを見て焦っていました。(当時毎日モデルをしてくれた先輩には今でも感謝の気持ちでいっぱいです)
最初の頃に挫折感を味わえたことがのちの自宅でも練習する行動にも繋がっています。
当時は技術テストが1ヶ月に1回しかなく、合格できないと1ヶ月間同じ練習をすることになり、ムダだと思っていたので、それを避けようとも考えていました。(現在当社では随時テスト方式をとっているので、ムダな時間はありません)
営業中は常に人の仕事を見て学ぶ
練習会も大事ですが、練習のための練習になってはいけません。
私もアシスタント時代はテストに合格するための練習になってしまっていた時期があります。美容師として大事なものは営業にあります。
ウィッグ相手だと表情も変わらなければ、髪質も常に同じです。
営業はさまざまなお客様がいらっしゃいます。お客様の髪、頭の形、ご希望はさまざまです。
営業中に人の仕事をよくみて、細かい技術や接客などをよくみるようにすると、練習で活かされてきます。
スタイリストデビューの前にはモデル練習が必ずあります。その時にアシスタント時代にどれだけ営業で人の仕事を見てきて、自分の仕事に取りいれられたかが問われます。
私はそれをアシスタント時代に意識していた甲斐もあり、モデル練習に入り、スタイリストデビューをしてからイメージしやすかったです。
好きな仕事をする人とそうでない人がいるとは思いますが、どんな人の仕事でも見るようにし、自分の技術や接客に活かせるととても良いです。
営業中にお客様の許可がいただければ動画を撮るのも◯でしょう。
明確に期限を設けて目標を細かく持とう
私は18歳で入社し、20歳でスタイリストデビューする!と明確に目標設定していたので、1ヶ月間ムダな時間を過ごすのはいやだ!と感じていました。(基本的にせっかちな性格なのもあります)
デビュー後はランキング表1位を最大の目標にして、
指名売上30万、50万、80万、100万、120万、150万
店販売上目標 5万、10万、15万、20万
それぞれ何月までに、と期限を設けていきました。
このような目標を細かく常に持っていて、営業で実行し、自分に足りないことは何なのか毎日の営業の反省をカルテを記入しながら振り返り、どうしたらよかったかを通勤の時に考え、美容師の先輩と休みの日にサーフィンしながら仕事の話をする。
そして気づいたことをまた営業で活かしていく。
こんなルーティンを20代は送っていました。いわゆるPDCAサイクルです。
明確にいつまでにという目標設定は行動を変えます。
人にアドバイスをもらうのが苦手な人も聞けるようになったりします。
逆になんでアドバイスを聞かなかったんだろうと、自分を不思議に思うでしょう。
PDCAサイクルで言うとC(チェック)とA(アクション)の部分です。
美容師は営業の中で何を行動に移せるかが全てです。数字の結果が出てくると見える景色がステップアップしていきます。
大きな目標とそれに対して小さな目標を常にもち、日々更新していけば必ずステップアップします。
アシスタント時代の私は、スタイリストになることを大きな目標にし、毎月テストに1つ合格することを小さな目標にしていました。
このように目標の大小を分けてあげると良いと思います。
お客様と本気で向き合う
日々の営業で、どれくらい本気でお客様と向き合えているか。
私はどちらかというとコミュニケーションを取るのが苦手な方でした。できれば技術に没頭したいタイプです。
お客様は様々な方がいらっしゃいます。
徹底的にお客様と向き合うと見えてくるものが変わります。
どうしたら喜んでいただけるだろう?
どうしたら心を開いていただけるか?
どうしたらお悩み(コンプレックスの部分)を全て言っていただけるか?
最初はぎこちないものも、毎日本気で向き合っていけば必ず改善されていきます。
私もそれこそがむしゃらにお客様を見て、理解し、毎日懸命に仕事をしました。
そして次第に苦手なコミュニケーションが楽しくなっていったのをよく覚えています。
美容師の前に人として
全てはお客様のためです。決して自分の数字のために営業をしてはいけません。
美容師は人間性がとても大事です。
これはお客様にもそうですがスタッフや業者さんに対しても同じです。
「売上1位」というのはそれだけ人に支えられているということです。
私は1番であることに自分はすごいと勘違いしていた時期がありました。
そのような心情のときは数字ものび悩みます。それが停滞期の大きな原因の1つです。
つねに人に感謝と恩返しをしつづける謙虚なマインドこそ、1位を10年以上続けられる最大のコツだと私は思っています。
ぜひ今から目のまえの人に感謝の気持ちをもってせっしてみてください。
まずは身近なひとに感謝の気持ちをもちましょう。
クレームをいかす
クレームは誰もが嫌なものです。
お客様に喜んでいただくはずが、悲しい思いをさせてしまったり、美容師なら誰もが経験する場面です。
クレームをいただいたときは、
1 クレームで再来していただけたことに感謝する
2 何故そうなったのか原因を探る
3 全力でお客様のご要望にお応えする
4 反省し次に繋げる
このようなマインドだといいでしょう。くわしく解説していきます。
1.クレームで再来していただけたことに感謝する
もしお客様が心から嫌だな、と思っていたらお直しにもご来店いただけません。
来ていただけるということはこちらで何とかなる、と思っていただけているということです。
クレーム対応によってはお客様がファン客になるチャンスです。全力で対応しましょう。
2.なぜそうなったのか原因を探る
クレーム対応で1番大切なのは、原因を見極めることです。
内容によっては物理的に対応が難しいこともあるでしょう。必ず原因はあります。
お客様の心情的な部分なのか、カットのイメージが違うのか、カラーやパーマで傷んでしまったのか。原因が分からなかったら素直に同僚や仲間に相談し、時には他のスタッフにお願いすることも必要でしょう。
自分だけで解決できないのは悔しいことですが、すべてはお客様のためです。お客様の為にベストを尽くしましょう。
ただし、稀に「クレーマー」の方もいらっしゃいます。そこも見極めが必要です。明らかに理不尽だったり、度をこえる要望など過度な場合は注意が必要です。
3.全力でお客様のご要望にお応えする
原因がわかればあとは全力対応のみです。
もし原因が分からなく、他のスタッフにお願いする場合はお客様に申し訳ない気持ちをお伝えし、引き継ぐスタッフに謙虚にお願いをしましょう。
謙虚になれば必ずお客様、スタッフにご理解いただけます。
私もクレームはありました。
七五三のセットにて、7歳のお嬢様の耳をホットカーラーでやけどを負わせてしまう事故を起こしてしまったことがあります。
それはもう落ち込みました。菓子折りを手にお客様のご自宅まで謝りに行き、次に同じことが起きないよう心に誓いました。
それからホットカーラーを巻く時は地肌及び耳に直接カーラーが触れないようにスポンジなどを必ずはさむよう心がけています。それから20年近くそのような事故は1度も起こっていません。
その時のお母様はその後指名をしてくださって、長年担当をさせていただいた大切なお客様になっています。
4.反省し次に繋げる
3までは対お客様ですが、美容師としてはクレームを次に繋げることが大事です。
この1、2、3をしっかりすれば大きな経験となります。
美容師をやっていれば必ずクレームをいただくことがあります。
普段から感謝の心と謙虚な気持ちを大切にしていればクレームがチャンスに変わるでしょう。
カウンセリングを重視しまくった
実際の技術はもちろん大切ですが、私はカウンセリングを重要視しています。
プレカウンセリングでの安心感はお客様にとっては絶大です。
それだけで施術中の数時間はお客様にとって良い空間になります。そのような時に人は心を開いてくれるものです。
心を開いてくだされば会話が弾みます。
お客様から「この人は自分をわかってくれている」と思っていただくことが重要です。
信頼関係を築きあげればプライベートな質問は嫌ではなくなる場合があります。
信頼関係が無い人にプライベートな質問をされたくないですよね?
自分を指名していただくには、美容師の存在を忘れないでいただくことが大切です。
嫌ではないけど印象がない。これが指名が付かない大きな理由です。
最初のカウンセリングからしっかり行っていきましょう。
No.1になったら見えること
1番になれる人は限られています。そして1番になった人しか見えない景色があります。
私の目標はグループで指名売上、店販売上1位になることでした。
そして、それが叶うと次の目標が見えてきます。
私は1位になったことで、次のステップとして店長、そしてオーナーという選択肢が増えました。
私は店長になりたいとオーナーに要求しました。オーナーは自分のための新店舗を作ると約束してくれてお店を作ってくれました。
私がNo.1を目指すなかで思っていたことは、No.1になるまでは要求はしない、No.1になったらこうして欲しいと要求するということでした。
経営陣としてもNo.1の人の願いは叶えやすいでしょう。
なぜなら、他のスタッフの模範になるからです。
No.1になったらこうなれるんだ、という夢があります。(度をこえた要求はやめましょう笑)
26歳の時に新店舗の店長就任です。今でもその時のオーナーの決断には感謝しかありません。
そして3年後の29歳でその店を買い取り、オーナーになりました。
1位になるなどの成果をだすことができると、会社に対して給料や昇給などの交渉がしやすくなるでしょう。
日々仕事を頑張っているなかで結果がでないとき、先に報酬を欲しがってしまうケースもあります。
こんなに頑張ってるのに認めてもらえない、給料あげてもらえないなど。愚痴っぽくなってしまうのは、自分を律する覚悟が足りない時です。
No.1になるためには人のせいにしないプラスの考え方が必要です。
自分の目標をどこに置くかによっても変わってきますが、とにかく成長したいと考えられる人はNo.1を目指しましょう。
責任感も強くなります。常に見られる存在にもなりますので、日々の言動も気をつけないといけません。
トップに立つということはたくさんの人に支えられてなることができます。自分1人の力では難しいことです。
人は結果が出るほど謙虚になっていくものです。私の周りで結果を出している人はみな人に優しいです。
勘違いして自分がすごい!と思ってしまうと、他者に「なんでできないの?」と思ってしまいます。
人に厳しくなりすぎるとついてきてくれる人がいなくなってしまいます。実際私も以前はそういうことがありました。
No.1になるには人を大切にし、感謝し続けることが大事です。
まとめ
私は「志」という漢字が大好きです。座右の銘でもあります。
株式会社INTENTIONという会社名は、志という漢字から連想しました。
No.1でなければまずは1番になる。No.1になったら次の目標を探す。
私はNo.1という目標をクリアすることによってオーナーになり、関わる全ての人の豊かさの実現を目指しています。
その志に終わりはありません。おかげさまで毎日が充実しています。
人は何かを志していると心がブレないものです。
価値観は人それぞれですがNo.1になることは全ての人が目指すことができます。。
No.1を本気で目指すならそれなりの覚悟とストイックさが必要です。
悩み苦しむこともあると思いますが、1番になった時の感情はひとしおです。
そして1番の景色はNo.1になったものしか分かりません。
売上1位を目指すかたはぜひ参考にしてみてください。
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