美容師は専門学校を卒業後、すぐにスタイリストとしてお客様を担当できるわけではありません。スタイリストデビューまでの間はアシスタントとして美容室の仕事を行います。
アシスタント期間の仕事とはどんな仕事があるのでしょうか?解説していきます。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
アシスタントとはどういう期間?
美容学校は美容師国家試験にむけての勉強が多い機関で、営業の現場では国家試験とは別のスキルを身につけていく必要があります。
入社してからシャンプーやヘッドスパ、カラーの塗り方だったりブロー、カットなど実際のお客様のニーズに応えられるように練習をしていきます。
つまりアシスタント期間とは、スタイリストになるまでの練習期間といえるでしょう。
教えてもらいながらお金をもらえる期間
学校はお金を払って学びに行く場所。美容師アシスタントはお金をもらって学ぶ期間です。
サロンワーク中などは自分ができることに全力で取り組まなければいけません。
美容師の仕事は技術を提供することだけではありません。お客様への気遣いや店内の美化など多岐にわたって仕事があるのです。
具体的なアシスタントの仕事とは
掃除
開店前のお掃除
・お店の前、周辺の掃き掃除
・セット面:鏡が曇ってないか、椅子などに毛が落ちてないかを確認しましょう。
・フロア:床に髪や埃がないか確認しましょう。掃除機があるお店は開店前にかけると◯。
※鏡は下から覗いてチェックしましょう。正面から見ただけだと汚れが見えないことがあります。
・トイレ:便器の中、外共に綺麗に磨きましょう。トイレクイックルシートなどで床や壁なども拭き掃除ができると良いです。トイレットペーパーやハンドソープ、消毒液などの補充もチェック。トイレの鏡も曇りがないかチェックし、必ず拭いて仕上げましょう。
営業中のお掃除
・施術が終わったセット面を素早く綺麗にする
・バックルームに溜まった洗い物を片付ける
・シャンプー台の汚れをチェック(カラーシャンプー後は汚れやすい)
営業後のお掃除
開店前と同様のお掃除に加えて↓
・シャンプー台を綺麗に磨き拭き取る
・バックルームのシンクを綺麗にふきあげる
準備
開店前に予約のチェックをします。
何時に誰が来るかをチェックし、そのお客様に合わせてお好みの雑誌などの把握をし、ご来店のタイミングで準備できるようにしましょう。デジタルマガジンの場合は、お客様に合わせた雑誌の種類の画面を用意しておくと良いと思います。
カラーの準備
下の写真のように、カラークロス、肩掛けタオル、イヤーキャップ、ハケ、タイマーを準備しましょう。
ストレートパーマもクロスをパーマ用に変える以外は同様です。
トリートメントもおおよそ同じ準備でOKです。ケアプロ、TOKIO、オージュアなど特殊なものによっては準備が違いますので先輩に都度確認していきましょう。
その際に必ずスタイリストがカウンセリングが終わり、メニューが決まったら何をやるのかを確認してください。
パーマの準備
パーマクロス、肩掛けタオル、イヤーキャップ、輪ゴム、ペーパー、リングコーム、アプリケーター、カップ、ハケ
お薬は必ずスタイリストに何を使うかを確認しましょう。処理剤等も必要に応じて準備しましょう。
お客様への技術ヘルプ
シャンプー
アシスタントが1番施術する機会が多いのがシャンプーでしょう。お一人お一人に心をこめてシャンプーしましょう。
アシスタントが初めてお客様に触れるのもこのシャンプーになります。しっかりこつを掴んで気持ちよかったと言われることを目標にしましょう。
シャンプーで喜んでくれるお客様が増えればお客様のほうから話しかけてくれる確率が上がります。お客様に気に入っていただければスタイリストからの信頼も得ることができます。
そうなれば仕事を任せてもらえることが多くなってきますので、自分自身の成長にもつながるのです。
↓の記事もぜひ参考にしてみてください。
また、美容師の手荒れ問題の原因1位がシャンプーでもあります。手荒れもセルフケアをするようにしましょう。
薬剤塗布
カラーや縮毛矯正などの塗布のヘルプです。最初はスタイリストなどと一緒にバックセクションから塗っていきます。
髪質、お客様のご要望に応じて様々な塗布の仕方があります。大事なのは毎回同じような塗布の仕方でもポイントが違ったりします。
一緒に施術する人と同じ塗布量、塗り方をしましょう。
塗布後、またはお客様の仕上がり後に必ず染まりの結果などがどうだったかをスタイリストに聞くようにしましょう。アドバイスをもらったら必ずメモを残し、次に活かすようにしてください。
ブロー
仕上げの時のブローです。
アイロンで仕上げることも多々ありますが、ブローでくせを伸ばす技術はとても大切です。ちなみに縮毛矯正や髪質改善と言われるメニューの時に入れるアイロンもアシスタントのヘルプの一つになります。
デンマンによる根起こし、テンションのかけかた、ロールブラシでの艶の出しかた、ドライヤーの当てる方向など、技術習得には難しさのあるものです。
意外とブローがきちんとできない人が多い印象です。ブローがうまいとデザインの幅も広がります。
髪の質が良いお客様はアイロンだけでもいい感じのスタイルになりますが、日本人の多くは(8割くらい)くせ毛と言われています。ブローの基礎ができているのとできていないのではスタイリストになった時に大きな差が出ます。
頑張って練習して上達しましょう。
お客様への気遣いからフロアマネージメント
営業中にお客様が困っていないかを常にチェックします。
・放置タイム中暇そうにしていないか。雑誌などの提供ができているか
・カラーなど染みてなさそうか
・スタイリストとお客様の話を聞き、必要なものをすぐに出せるようにする
常にフロアをみていなければいけません。
フロアマネージメントはサロン全体の流れを把握することです。これは店長などマネージャーの人ももちろんですが、主にアシスタントの仕事といえるでしょう。
まとめ
アシスタントの期間はいかに成長できるかがポイントです。
そのためにはスタイリストから仕事を任せてもらえるようにならなくてはいけません。
自分がやりたい仕事だけを狙ってするのは、すぐに先輩に見抜かれてしまいます。
先ずはお客様に喜んでいただくこと。
スタイリストは担当のお客様をとても大切にします。お客様から「あのアシスタントの子いいですね!」と言ってもらえれば安心してアシスタントに仕事を任せられるのです。
お掃除もそうです。お客様のご来店時に汚れが目立つような美容室で髪をキレイにしたいとは思えません。キレイになりに行く場所はキレイでなければいけないのです。
ちなみに私の見解ですが、トイレとバックルームがキレイな美容室は売上が良いところが多いです。これは、コンビニや飲食店も同じです。
ゴミが多い街の犯罪率が高い、という理論と同じです。
アシスタント期間中のこうした当たり前の仕事を一生懸命にできる人が、指名がたくさんつくスタイリストになれる秘訣だと思って頑張ってみてくださいね。