女性美容師の皆さんは男性の発言に理解ができますか?
サロンの現場に男性スタッフ、男性のお客様が増えてきていて、より女性にとっては「なんで男性ってそんなこと言うのかな?」と理解に苦しむことも多いのではないでしょうか。
これには男性と女性の脳の構造や、育ってきた環境の違いなどによって思考回路が違う、といったことがあるのです。
今回の記事では、男性がなぜあのような発言や行動をするのか?
筆者である私も男性なので、自分のことも踏まえつつ、実例もまじえて解説していきます。
*男性にとっても女性の思考回路は謎に思ってしまうところも多々あります。男性美容師のための心理学はこちらもご参照ください↓
合わせて読みたい:男性美容師がサロンで使える男女の違いの心理学5選
参考文献 察しない男 説明しない女 著五百田達成
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
男性は論理で説明する
男性は「察しが悪い」ケースが多く、なかなか女性のように「今日はこんな様子なのかな」と察して気の利くことができません。
なぜなら根本的に細かいことを情報収集することをしないので、記憶が曖昧になっています。
逆に女性の「察する能力」は男性からするとマジシャンかよ、と思うくらいすごいと感じています。
女性はあらゆることを察知する能力に長けていますよね?
さまざまなことが見えすぎている分、ポンポンと話の内容が展開していく女性の会話になかなかついていけないのが男性。
女性の会話の中に男性がいれば、大抵はその展開についてきてなく、1個前、いや2個3個前の話ですでに思考がストップしているはずです。
男性に「聞いてるの?」といっても男性からすれば「聞いてるんだけどさっきの話はどうしたのかな、、、?」となっていることがほとんどです。
特に男性の兄弟のみか一人っ子で育った男性はそのような傾向に多く、女性の兄弟が2人以上いる人は慣れている人もいます。
育ってきた環境の中で、どうしても細かいことを気にすると「男のくせに」みたいに言われることが多いため、それじゃダメなのかと大きな気持ちになろうとするので、繊細さを失いやすい要因にもなっています。
男性は感情的になることが少なく、トラブルなどが起きたときに意外と冷静に原因と対処を分析します。男性からすると、感情的になられて論理がしっかりしていないとどうしていいのか分からず、オロオロとしてしまいます。
なので、常に男性の頭の中には「今の状況や気持ちを随時説明してくれ!」となり、女性からしたら「察しろ!」となってぶつかってしまうこともしばしば。
女性は男性に対し「今日は〇〇だから××なんだよね」など説明をしながら伝えることを意識すると、男性に伝わりやすいのです。
「私はこういう気分なんだから、察してよね!」というのは大抵の男性には通じません。
サロンにおいて男性のお客様には、似合わせなどを論理立てて、「〇〇さんの頭の形はこうで、ファッション的にもこうしたらいいと思います」と説明できると納得してくれるのです。
男性は理屈で話を聞く
”男性脳は女性に比べて「脳梁(のうりょう)」が細く、右脳と左脳の連携が若干弱め。一度に処理できる情報量も落ちますし、回線で言うならアナログ回線。一度に一つのことしかできないとも言えます。”
参考文献:察しない男、説明しない女
男性からすると、女性の1度に何個も同時にタスクをこなす能力はもはやエスパーに近い感覚です。
男性は1つのことに集中すると周りが見えなくなります。
これは脳の構造上仕方のないこと、と一応女性の皆様には男性美容師代表で釈明させていただきます笑
1つのことに集中する男性は「マニア」が多いのも特徴。
好きなことにはとことん突っ込んで理屈を学びます。
男性は女性よりも右脳が発達していて、空間認知能力が高いので、位置や方向、形を正確に認識する能力が長けています。
男性から美容の技術、特にカットの技術などは論理で説明される場合が多く、展開図などを重要視しがち。
女性からしたらなんかいい感じだなあ、とニュアンスで感じて思うことも、男性は「そのいい感じなのはこういうレングスでこういったカットラインがあってこそ。だからこういった練習をして〜」といった具合でつめてきますので、また出たなあと思うことも多いかもしれません。(私のことですね、、、笑)
また、男性はゴールの見えない会話は苦手です。
というのも1つのことに集中するあまり情報処理能力が圧倒的に女性より劣るので、出口の見えない会話は疲れてしまうのです。
男性に伝えるときは「ポイントは3つあって〜」などゴールが見えるような言い方がベスト。
長く脈絡のない話は聞きたくても男性脳は疲れてしまって聞いていません(聞けていない)。
男性のお客様を担当するときには、「このスタイルにするには〜」など、スタイルのゴールが明確になるほど男性のお客様はイメージしやすくなるので、言い切るということが大切です。
また、その都度付け加えを思いついたりしたら、「あとね〜」など付け加えるのはOKです。
男性は縦社会
男性の世界観は「上下関係」つまり縦社会。
年齢の上と下には敏感です。
特に昭和生まれ世代はその意識が強く、私も地元のサッカー部の1個上の先輩には40歳を超えた今でも頭が上がりません。
また、仕事関係においても「役職」「肩書き」「成績の上下」で態度が変わるのが男の性。
美容師においても、指名売上が1位である、とかトップスタイリストという肩書きにおいて自分の存在価値を高めようとします。
どこか本能で数字が上のほうがエライ!的な感覚があるのが男性美容師です。
逆に言えば、男性美容師はどうやって自分の数字をあげようか、そういったことで頭がいっぱいです。
女性のようにまずは全体の雰囲気だったりお客様の反応を考えることがはじめに来ないので、なんで周りを見ないのかなあ、といった思考のギャップが生まれてしまいがちです。
美容業界において、独立願望が強いのは圧倒的に男性が多いのが、そういった特性が強いからだということも1つの理由としてありそうです。
男性のお客様との会話では、仕事やスポーツなどにおいて組織の構造などを聞いてみると良いかもしれません。
その上で「〇〇さんとはどちらが先輩ですか?」などの上下関係についての問いかけには男性は細かく詳細を説明しますので、男性のお客様にとっては楽しい会話となることが多いのです。
女性は横社会、フラットな関係性を築きやすいと思うので、そういった男性の縦社会はちょっと理解しがたいところです。
また、女性にとって難しい部分は、美容業界の評価制度です。
美容師の世界はどうしても個々の売上で評価が決まるものです。
ですが安心していただきたいのは、数字を上げる方法は大きく2つあると私は思っています。
1つは数字を意識した上で、分析し、対策をねる方法。
もう1つは、目の前のお客様に喜んでいただこうという意識をもって、お客様にファンになってもらうことです。
そこで女性美容師にとってポイントとなる部分は、大好きなお客様のために予約を制限してご迷惑をおかけしないようにすることも大切ですが、たくさんのお客様に喜んでいただこうと意識をし、予約枠をできるだけ解放していけるかです。
大好きなお客様のために良い雰囲気作りをし、できるだけたくさんのお客様を担当しようという意識ができた時は、女性美容師の活躍はとてつもないことになると思います。
そうなれば会社の評価も上がっていき、給料などの条件も上がってくること間違いなしです。
ぜひ予約解放を意識してみてください。
男性はチームスポーツで育ってきた
男性は野球やサッカーなど、チームスポーツで育ちます。
野球やサッカーなどのチームスポーツには役割が明確です。
サッカーにおいてエースストライカーは点を取るのが一番の仕事で、野球において4番バッターは塁に出た走者をホームに返すのが役割です。
男性はそういった役割のなかで生きてきたので、サロンにおいても肩書き、掃除の分担場所など明確なポジションがあり、さらにそこに明確な目的や手順があると活躍します。
また、男性は成長を好みます。
今日よりも明日、明日よりも明後日といったやればやるほど成長するドラゴンクエストやファイナルファンタジーの世界観なのです。
女性は男性の先輩に「私は何をすればいいですか?」と自分の役割を尋ねてみましょう。
男性からすると役割を指示するというのは分かりやすいことです。
男性の後輩に対しては、具体的に役割だったり細やかに指示を出してあげてください。
サロンが暇で掃除をするときに、ここをやってこういう風に掃除してね、など具体的に言ってあげてください。
自分で考えて掃除場所を探してよ、といった時の男性の動きは驚くほど鈍く、そこじゃないよといった場所をやり始めるので要注意です。
また、男性は1度与えられた役割をまっとうしようとします。
女性からすると、他にも掃除するところがあるでしょ、と思うのに男性は1つのところばっかり掃除してしまいます。
男性からすると、前にそのように指示を受けて、自分の役割は言われたところを完璧に掃除することだ!と思っているので、他の汚いところは全くと言っていいほど見えてません。
そのような場合は、ちょっと面倒ですが、そこができたら次はここもお願いね、とその都度指示を出してあげましょう。
見ればわかるだろ!は男性には通用しないと思ってください。
ただ、男性もそういった経験を重ねていくことによって段々と成長し、いつしか言われなくても視野が広がってできるようになっていきます。
温かい目で応援してあげてくださいね。
男性に使う魔法の一言
男性は「ヤンキー」に憧れを抱くことが多く、「侍」も感情は同じです。
「勝ちたい」や「なめられたくない」という気持ちが先行するのが男の性。
そして「武士道とは死ぬことと見つけたり」という一説は、ようは「なめられるくらいなら死んでやる」といったことです。
女性の世界ではほとんどないような感性ですので、正直女性にとっては理解に苦しみますよね?
そういった勝つか負けるかのような世界観は男性特有です。
特に美容師の男性はそのような気質の人が多め。
わかりやすく数字が出るので、自分のほうが勝った、自分のほうが上だ、と常に周りと比べています。
男性はナンバーワンで、女性はオンリーワン。
そんな男性美容師を褒めるには「それ、すごい!」の一択です。
変にかっこいいとか違う言葉で言うよりも、すごい!と一言だけで男性のプライドは保たれます。
逆にプライドが保たれていない男性美容師は、とにかくナンバーワンになれることを探し続けます。そのようなときに男性は周りが見えなくなってしまうので、男性美容師に対してもう少し周りを見て動いてほしいなぁと感じるときは「すごいね」と言えるところを探して言ってあげてください。
すべてにおいて1番じゃなければいけないわけでもなく、カットがうまい人やカラーが得意な人もいるのです。
自分が認められてるな、1番だなと感じることができれば余裕が生まれ、周囲に気を使うことが次第にできてくる男性美容師がとても多いのです。
男性も女性もともに言えるのは、褒められて悪いことはない、ということ。
お互いに尊重し、わかり合おうとする心がとても大切だ、ということですね。
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