美容師の基礎の技術といえば「シャンプー」
美容学校を卒業し、アシスタントとして美容室の仕事をするのに、最初にお客様に触れ合う技術でもあります。
シャンプーが上手だとお客様に褒めていただけて、会話がはずみます。お客様と仲良くさせていただいたり、応援していただけるのは毎日の仕事の励みになります。
そこで美容師アシスタント向けにシャンプーが上手になるためのコツを6つ解説していきます。
前提:今回の記事はバックシャンプーのコツで、サイドシャンプーはまたポイントが変わってくるので、参考程度にしてください。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
① 頭の形は「球」であることを理解する
シャンプーが上手になるには、頭が「円」ではなく「球」だということを理解しなくてはいけません。サッカーボールやバスケットボールなどを洗う、という感覚です。
実際に家でシャンプーのイメトレをするのにボールを抱えて手や指を動かしてみると良いです。
頭が丸いことを体で理解することができれば、カットの際に「奥行き」というのを理解することができます。
正面に立って仕事をするときに、どうしても「平面」しか見えていなく、奥行きがわからないとお客様の頭の形を理解することができません。
指が頭の奥行きに自然と吸い付いていくような感覚ができると、とても良いのです。
② 正しいお湯の温度の確かめ方
お湯でお流しする際に、温度が最適か確かめなければいけません。
確かめる際に手のひらで温度を確かめるのではなく、手首にお湯をあてて温度を確かめましょう。
手のひらは熱を持っています。自分の熱で正しい温度がわかりにくく、実際の温度よりズレて感じてしまいがちです。
手首は熱を持っていないので、正しい温度を感じることができるのです。
飲食店などに入店する際に、手首の温度を測られた経験はないですか?あれも手首の温度が実際の温度だとわかりやすいのでそうしています。
温度としては、一般的には39℃から41℃の温度が最適とされています。
③ 指が地肌を通る時のコツ
爪のお手入れ
爪の長さはある程度整えて、エメリーボードなどで先端を丸く削っておくと良いでしょう。
地肌をこするときに、爪が当たらないように、指の腹でシャンプーするためです。
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指抜き
髪の短い人は大丈夫ですが、ある程度の長さになると、こするたびに絡まります。
その際は「指抜き」という技術を使います。
ピアノやギターが弾ける人は得意なのですが、1、2本ずつ指を抜く技術で、5本の指をいっせいに抜いてはダメなので、そこが難しいところです。
④ 頭のパーツで力の強弱を変える
頭には鈍感に感じる部分と敏感な部分があります。
鈍感な部分は、センターライン、鶏の鶏冠部分のことです。センターは力を感じにくい部分なので、強くこすらなければいけません。
コツとしては↓
・4〜5本の指でこする
・体重を少しのせながら
・頭皮のくぼみも逃さず指を入れる
・手を大きく動かす
逆に敏感な部分は耳周りです。耳周りは神経が集まっていてとても繊細な部分なので、センターとは対照的です。
コツとしては↓
・2本指でこする(薬指と中指がオススメ)
・手の力や指の関節の力を利用する
⑤ 始まりから終わりまで一定のリズム
雨の音や電車の中って眠くなったりしませんか?あれは全体の音が一定のリズムなので心地よいと感じるからなんです。
センターと耳周りのリズムは速い遅いあるのですが、全体のリズムは始まりから終わりまで一定で行いましょう。
ダメなのは、指抜きやネープに移るときに完全に手が頭から離れる、もしくは止まることです。
指抜きもどこかの指が必ず頭に触れている状態にして、全ての指が完全に離れないように注意しましょう。
目隠しをされている状態で手が触れてない時間があるとお客様は不安に思ってしまうのです。
頭の丸みを追った手の動きができないと、いくら頑張って手を動かしてもお客様はこすられてる感じがしません。
そのような場合はボールを抱えてボールの丸みに合わせて手を動かすトレーニングをしましょう。
⑥ 頭の最適な持ち上げかた
頭を持ち上げる時と下ろす時に雑さを感じてしまうと全てが台無しです。
コツは持ち上げる時と下ろすときに、必ずゆっくり丁寧にしましょう。
シャンプー時
シャンプーの時は片方の手でこすりながら片方の手で持ち上げてください。
シャンプー全体のリズムを止めないようにするためです。
↑これは悪い例。最後に全部の指を離してしまっています。
↑これが良い例○手を止めずに優しくおろしましょう。
ウェット時
ウェットの時は両手で持ち上げましょう。
ウェット時はバックシャンプー台の場合、両手で頭を持ち上げてしっかりネープに手をポジショニングする必要があるためです。
お客様に力を抜いてもらう
お客様によっては持ち上げる時にご自分で力を入れすぎてしまって、
首をおろしてくださらないお客様もいらっしゃいます。
首に力が入ったままシャンプーするとうまく力が伝わりません。
また、お流しの際はお客様のお洋服を濡らしてしまうおそれがあります。
力が入ってしまっている場合は
「お気遣いありがとうございます。どうぞお力を抜いてリラックスしてくださいね。」
などお客様のご好意を無駄にしないような言い方を心がけお伝えするようにしましょう。
練習と営業での違いなどのポイント
営業では様々なお客様のシャンプーをすることになります。
シャンプーの好みはお客様によって違います。
練習で心がけたいのは、強めのシャンプーがお好きなかた用の練習をすることです。
理由は、強めのシャンプーができないと対応ができないからです。
力をうまく伝えるのはとても難しいことで、前項目の内容が上手にできないといけません。そこに加えてシャンプー体力が必要になります。
決して力任せにするわけではないのですが、練習で強めシャンプーの練習をし、体力をつけておくと営業に生きてきます。
ぜひ意識してみてください。
まとめ
お客様は髪を綺麗にすると同時に癒しも求めてご来店します。
頭を人に洗ってもらう機会というのは決して多いものではありません。美容室での気持ちのよいシャンプーはお客様にとっては極上の癒しです。
日頃お疲れになられているお客様が気持ちの良いシャンプーで癒され、喜んでいただけたら、美容師にとっても励みになります。
上手なシャンプーを習得して、一人でも多くのお客様を癒してくださいね^^
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