コミュニケーション能力は、美容師には必須です。
とくに美容師はお客様と親密になることができ、売れっ子美容師のほとんどがお客様との関係性が深いかたが多いと言えるでしょう。
ところがご来店アンケートにおいて、施術中は静かに過ごしたい、とお答えになるかたも多数いらっしゃいます。(当社調べ)
これはお客様ご自身がお話が苦手だと感じていると同時に、美容師のコミュニケーション能力が乏しいということも大いにあるのではないでしょうか。
先日、アンジャッシュ渡部建さんのセミナー【才能も努力もいらない!コミュニケーションの極意とは】に参加してきました。この記事ではそのセミナーと渡部建さんの書籍「コミュニケーションの教科書」を参考にし、入門編として最初にこころえておきたいことを5つご紹介していきます。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
第一印象で93%が決まる!メラビアンの法則
人の印象は出会って3秒で決まると言われています。
出会って3秒だと、圧倒的に見た目の印象が大きいということです。
「メラビアンの法則」によると、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、話の内容が7%とされています。
ファーストインプレッション(第一印象)が悪いとコミュニケーションが円滑に進みづらくなります。
加えて美容師の場合、キレイを提供する立場ですからビジュアルはとても重要です。
ビジュアルというのはサロンのコンセプトにもよります。
バリバリモード系デザインサロンのスタッフさんは個性的なファッションだったり、モテサロン系の場合イケメン美女的ポジションが重要だったり、オールマイティサロンはファッションはそれぞれですが、より清潔感が求められたりします。
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第2に聴覚情報。
ご新規のお客様に入る際、声の大きさ、スピード、高さをお客様の出す声に合わせていきましょう。
自分と同じ雰囲気だなあと感じていただくことができればお客様も話しやすくなってくれるので、打ち解けた雰囲気が作りやすくなるのです。
メラビアンの法則でもあるように最初の印象はこの2つで93%は決まってきます。
ご新規のお客様に入る際はまずはこの2点に注意していきましょう。
第一印象が良くないと全てのコミュニケーションがうまくいかないので注意が必要です。
私自身、声が大きいほうで若いころにどんなお客様でも地声で接客をしていました。ある時からそう言ったことに気づき、お客様によって声のトーンや大きさ、スピードを変えていったところ、新規再来率が10%ほど伸びた、という経験があります。
メラビアンの法則は特にご新規様に有効です。
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ポジティブな発言はあなたの印象になる
ポジティブな(前向き)発言は聞いているほうが気持ちの良いもので、反対にネガティブ(後ろ向き)な発言は聞いていて良い印象にはなりません。
印象が悪ければコミュニケーションを円滑に進めることが難しくなります。
基本的に性格は変えられないと言われていますが、自分の発言は気をつければ変えられるものです。
ポジティブなワードが多いと、聞いているほうは印象が良くなります。
文句、グチ、怒りなどの印象はマイナスのイメージしかもたらしません。
ポイントはこのような感情を無くすことと性格は変えられないので難しいのですが、なりづらくなるような思考やワードの変換と、環境づくりをすれば良いのです。
ネガティブをポジティブに変換
実際にネガティブなイメージのワードをポジティブなワードに変換してみましょう。
・優柔不断→慎重、注意深い
・わがまま→自分の考えを大切にしている
・怒りっぽい→情熱的、何事も真剣
・飽きっぽい→切り替えが早い
・せっかち→時間を無駄にしない
・神経質→細やかに気配りできる
・流されやすい→協調性がある
・濃い→ご飯がススム
・薄い→何杯でもいける、朝からいける
・ありがちなストーリー→王道
・テンポが悪い→丁寧な作り
・狭い→落ち着くお店
・無愛想、暗い→職人肌
他にもまだまだあると思いますが、皆さんもこのようなネガティブワードをポジティブワードに変換するトレーニングをしてみてください。
このトレーニングは、自身のプレゼン力を向上させることができます。
ポジティブな思考はイライラを減らし寛容にする
ポジティブな発想(言葉)は、人を穏やかにする効力があります。
反対にネガティブな言葉は言っても思っても人を悪い発想に導きます。
いつもイライラしたり怒っている人って常に頭の中にネガティブなワードがある人です。
どうしてもそういった言葉が頭の中に浮かんでしまう人こそ、ポジティブワードに変換するトレーニングをしてみてください。
最初は大変ですが、3ヶ月ほど意識してそのようなトレーニングを積んでいくと自分の中で習慣化されていきます。
筋トレでもなんでもそうですが、私は「3ヶ月」というのを一つの指標としています。
3ヶ月がんばればあとは自然とそのような思考に変化するものです。
名前をよんで接する
意外と簡単そうでできていないのが「名前をよんで接する」ということです。
自分の名前というのは唯一無二で、特別なものです。
名前を呼ばれるというのは、全ての人に特別感を与える魔法の言葉です。
ネットマーケティングでもこの手法が用いられています。
「××市にお住まいの〇〇様必見!」と書かれていると一瞬ドキッとしませんか?
美容師においても同じです。
接客の間に要所でお客様のお名前を呼んで接客するととても安心感が湧き、お客様からしたら自分に言ってくれてるな、と思うのです。
そして名前を呼んで接することにより、こちらも相手の名前を覚えることができるのです。
また、〇〇様、〇〇さん、〇〇くんなど、その人に合わせて呼び名を変えることも重要です。
小さなお子様や慕ってくださる年下のお客様(学生さんなど)の場合は〇〇様などあまり硬くなりすぎないようにすることも大切です。
心理的安全性を確保しよう
心理的安全性とは、組織においてメンバーが発言をする際に恥じたり罰を与えることのないような雰囲気にすることで、人を尊重しようと働きかけていることです。
コミュニケーションにおいてもこの雰囲気はとても大切で、相手に話しやすい雰囲気作りをしてあげると良いのです。(ただし、指導する立場の人やTPOに応じてあえてそのような雰囲気を出さない場合もあります)
弊社の店長はとても物腰が柔らかく、みんなの話をよく聞いてくれる人で、(それなりのおじさんですが)そして人に恥をかかせるようなことは一切言ったりしません。スタッフにとったら心理的安全性が確保されている環境だと言えるのです。
また、テレビの司会者で、明石家さんまさん、有吉さん、くりいむしちゅーの上田晋也さんなどが有名ですが、彼らには共通点があります。
それはみなさん「ゲラ」すなわちよく笑うのです。
芸人さんの番組で、若手のかたがちょっとすべっちゃったかも、と思っても必ず明石家さんまさんは笑ってくれるそうで、そうするとその場の雰囲気も明るく楽しくなり、若手芸人さんたちにとったら心理的安全性が働きどんどん発言しようと盛り上がるそうです。
そういったテクニックもあって楽しい番組ができているんですね。
よく笑う=よく笑ってもらえるというのは周囲に必ず人が集まるのです。
コミュニケーションをとる際は、オーバーリアクションで笑ってみると相手も言葉を発しやすい雰囲気ができるので、ぜひ意識してみてください。(もちろん意味のないところで笑ったりすると怪しい人になってしまいますが笑)
話の深みはフリが大切
話には「オチ」は必要不可欠です。
そのオチにより深みを与えるのが「フリ」すなわち「状況説明」です。
相手に物事を伝えるときに、オチのみで言ってしまうよりも、フリをしっかりつけるほうがより相手に伝わるのです。
2 威厳のある部長が鼻毛が出ている
3 威厳のある寡黙な部長が「身だしなみはしっかりしなさい!」と言っていたが、その部長が鼻毛が出ていた。
例題で分かるように、1よりも2、2よりも3のほうがより詳細に伝わり、オチに深みが出るのです。
そこで意識したいのが、自分が言いたいことを言うより、相手により伝わるにはどうしたら良いかを考えることです。
コミュニケーションは相手あってこそ成り立つもの。
より相手にオチを楽しく伝える意識をすることが大切なのです。
まとめ
コミュニケーションをスムーズに進める方法として、相手にどう思われているかを探るというのはとても重要だと私は思います。
人の目ばかり気にするというのも疲れますし、自分には関係ないことではありますが、コミュ力という分野でいえば、いわゆる聞き上手がコミュ力が高い人だといえるでしょう。
そのためには相手からの印象を良くし、話しやすい相手だと思ってもらうことがファーストステップです。
見た目の清潔感を出し、ポジティブワードを心がけ、相手の名前を呼んで会話し、よく笑い、話の状況説明をわかりやすくすることにより最初のコミュニケーションのスムーズさは得ることができるでしょう。
ぜひやってみてください^^
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