美容師の売上は単価×客数で構成されています。売上を上げるには単価を上げるか、客数を上げるかです。
日本は少子高齢化が進んでいます。加えて経済の低迷により安売り思考が高まる中、単価を下げて客数を集めるのは簡単ですが、私は単価を上げていく方が美容師の社会的地位向上になるのでは、と思っています。
ホットペッパーを調べてみると、2023年において、当店の地域の東京都葛飾区金町ではカットとカラーの平均価格が約8,000円ほどですが、私のカットカラーの平均価格は11,000円です。
美容師歴20年以上の私の経験から考える、美容師が単価を上げる方法をお伝えしていきます。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
単価を上げるにはコミュニケーションが重要
単価を上げるにはコミュニケーションが重要です。
単価を上げるには提案が必要で、お客様に提案するにはコミュニケーションがなければ難しいでしょう。
ところがお客様の方から美容師との会話を望まないとお答えする方もいらっしゃいます。当店でのご来店前アンケートにおいて、美容師との会話を望まない、とお答えした方は約3割にのぼります。
これにはさまざまな理由があると推測しますが、美容師との会話がつまらないということもあると考えています。
よくあるのが「今日どこかへ行くんですか?」とか「仕事は何してるんですか?」などプライベートにまつわる内容をいきなり聞くパターンです。
信頼関係が結ばれてない状態では「プライバシーに関わることを何で言わなきゃいけないの?」となることも考えられます。
この場合の聞き方としては「今日はスタイリングはどこまでやりますか?お出かけのご用事があればコテで巻くなりしっかりとスタイリングしましょうか?」
「お仕事上やってはいけないヘアスタイルなどはありますか?」など、スタイルにまつわる聞きかたで、お客様から具体的な行き先やお仕事内容をお伺いできれば、徐々に話を広げていくやり方が適切です。
信頼関係が構築されている指名のお客様は最初から聞いてもOKな方もいらっしゃいますが、私の場合、最初からフランクに接するのは5回目くらいのご指名をいただいていて、プライベートな情報を多くいただけているなと実感がある方に限っています。
とはいえお客様の方からフランクに接してきていただければそれに合わせる必要もあるかと思います。大事なのはお客様に合わせることです。
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お客様の悩みや希望を引き出そう
ご新規様や初めて担当する方のコミュニケーションは髪のお話が中心で、最初のカウンセリングで今日なりたいヘアスタイルをお伺いします。
そのなりたいスタイルに対しての問題点を見つけ、解決する時に単価を上げるポイントがあります。
問題点とは髪のダメージやクセ、骨格などです。
1番の単価を上げるポイントはお悩み解決です。日本人はくせ毛や頭の形が悪いなどデメリットを抱えている方が多数いらっしゃいます。
欧米人のようにはいかないケースがほとんどです。2023年現在では髪質改善がブームになっており、美髪になるためのストレートパーマやトリートメントが人気です。
常に時代のトレンドを学び提案力を上げる
ヘアーカラーの単価アップも有効です。
2023年現在では、ハイトーンカラーが人気メニューになっています。
ホームカラーの需要が高まるなか、ブリーチを使って特殊なカラーをするのは有効手段と言えます。
なぜなら自分でセルフでは出来ない、美容師の特殊技術だからです。
同時に美容師においても難しい技術といえます。そしてデザインセンスも問われます。
メンズパーマも2023年現在において人気メニューになっており、スパイラルやツイスト、波巻きパーマなど、単価を上げるメニューとしては大変有効です。
これらの特殊カラーやパーマは、デザインと技術の両方を勉強する必要があります。ちょっと難しい技術ではありますが、これらの特殊技術は実は普遍的な技術でもあります。
ある有名カリスマ美容師の方もYouTubeで言っていましたが、トレンドは12年ほどでサイクルが訪れます。
私が高校生だった1999年ごろ、ツイストパーマにメッシュスタイル、NIKEのバスケットシューズ、ブリーチを使ったハイライトなどが大変流行していました。
2023年現在において24年前の出来事で、ツイストやメッシュが上手な美容師さんとそうでない美容師さんがいた記憶があります。
当時はスマホがなかったので、情報はほとんど友達の噂話で、〇〇美容室の〇〇さんがすごく上手いよ、と口コミで一気に広まりました。
おそらく当時上手だった美容師さんは、現在においても人気美容師さんで、単価も高い売上を誇っているかと思います。
その時々のトレンドを学び続けることは各時代において高単価を維持し続ける1つのポイントになるでしょう。
12年ほどを目安につねにトレンドを追い、学び続けてみてください。
自分がメニューを体験しよう
単価を上げるには、1度はお店のメニューを自ら経験してください。
これは商品を売る方法でも同じことが言えますが、お客様にご説明する際に自分が経験した上での話と、そうでない場合では説得力が変わってきます。
ヘッドスパを定期的に受けているので、顔がリフトアップした、とか実際美容師さんの見た目が年齢より若ければかなり有効でしょう。
パーマにしてもカラーにしても同様です。
自分が広告塔になろう
その場で単価を上げるには担当の美容師さんがかっこいい、可愛い、若い、綺麗、清潔感がある。これはかなり重要な手段です。
お客様が担当美容師に憧れてくだされば、提案を受け入れていただく確率が上がります。
当社ではお店で着る洋服代やネイル、エステなどを福利厚生として毎月定額をサポートしているのは自分磨きのためです。
お客様からしたら担当の美容師が見た目も心も素敵な人の方が嬉しいですよね。自分磨きも美容師としては大切な要素の1つです。
日頃のスキンケアや、自分を鏡で見る習慣を強化してみてください。
まとめ
単価を上げるというのは、美容師において普遍的で大切な要素になります。
もちろん低単価のサロンがいけないと言っているわけではなく、低単価戦略も客数を集める経営手法の1つです。
当社には美容師の社会的地位向上という目標があります。高給料実現やお休みを増やしたり働く時間を出来るだけ短くしていきたいと思っています。
それはプライベートの時間にゆとりを持つことが美容師の社会的地位向上に繋がると考えているからです。
低単価の場合、どうしても客数が必要になり、その場合、働く時間がとても重要になります。
高単価の場合、客数は少なくて済みますので、やり方によっては営業時間の短縮が可能になるでしょう。
私はかつて地域相場より少し低めの単価設定で美容師をしており、そのサロンで200名以上の指名数を獲得しました。
その中には高単価の潜在顧客様も含まれています。
そして同じ駅の反対口に別ブランドのサロンを作り、そちらで単価を3,000円ほど上げて営業しています。
もちろん高単価のサロンにいらっしゃらなくなったお客様も多数いらっしゃいますが、単価が上がった分、売り上げは低迷していません。
客数が減った分、こうしてこの記事などの作成や、サロンの経営カリキュラム作成、家族との時間、スポーツジムに通う時間などを確保でき、夜遅くまで毎日サロンワークをしてたころより豊かに生活を送れています。
様々なご意見もあると思いますが、単価アップも美容師の社会的地位向上の1つの参考にしてみてください。
求人のお問い合わせはLINEでお気軽にお待ちしています^^