美容師は上下関係というものがある業界です。
新人スタッフや後輩にあたる人にとって、良い先輩に恵まれたいと思うもの。逆もそうで、先輩にあたる人にとっても、良い後輩に恵まれたいと思っています。
ただ、先輩は環境をつくる立場にありますのでコントロールしやすいですが、後輩の立場だと環境をコントロールすることは難しくなります。(不可能ではないですが)
私もこの記事で紹介するようなことを最初から実践できたわけではなく、あらゆる局面で逆の行動をしてしまった結果、一時は当社の離職率が50%以上になってしまいました。
そこでなぜそうなったのかの原因の分析と改善を繰り返し、直近の3年では離職率0%を継続することができています。
その経験を基に先輩がどのようにして後輩に接すれば良い関係がうまれるかを考えてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
前提:人には様々なタイプの人がいます。今回の見解は平均的にみて当てはまる確率が高い、という観点での話です。完全に当てはまらないという人もいるとは思いますが、総合的に参考にしてください。
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
後輩の話をとことん聞いてあげる
まずは後輩を知るところから入ることをオススメします。
先輩という立場は、自分がやってきたこと、経験してきたことをさきに伝えがちです。
後輩からすると、自分がどうすればいいかわからない状況で、緊張していることだったり不安があることなど、気持ちを聞いてくれる人がいるというのはとても心強いものです。
話を聞いてもらえる、と感じてもらえると心が落ち着き、冷静な判断ができるようになります。
そのような精神状態になってきてから指導に入るとスムーズにアドバイスを聞いてもらえるようになります。
さきに自分がやってきたことなどを伝えることから入ると、緊張している新人さんには伝わりづらいです。
また、後輩からすると話を聞いてくれる先輩がいるというのは安心材料にもなり、不安なく働ける職場で、頑張ろうと思える大きな要因の一つとなります。
環境が変わったばかりの人への精神的な配慮を先輩からしてあげたほうが、良い関係性になるケースが多いのです。
つねに目配りし、すぐにフォローしてあげる
先輩はつねに後輩をみてあげるようにしましょう。
・動きが悪くないか
・挨拶はできているか
最初から完璧にこなせる人はほとんどいません。
分からないことがあれば聞けばいいじゃん、と思う先輩も多いと思いますが、「聞く」という行為が最初はハードルが高いこともあります。
後輩からのアクションを待っていては難しいことも多いのです。
先輩のほうからここぞというタイミングでアドバイスをしてあげるには、つねに後輩をみていてあげなくてはいけません。
先輩だけど偉そうにしない
威厳を保つ、その観点では堂々とするのは先輩という立場の人には必要ですが、後輩から見たときに偉そうに見えると良い印象ではありません。
この人偉そうだなぁ、と感じる先輩が言っていることって響かないんですよね。
・先輩だけど謙虚のほうがカッコいい
・バリバリの人気スタイリストに偉そうな態度を取られても偉そうに見えない
つまり偉そう=カッコ悪いんです。
常に見られている覚悟を持て
逆にカッコいい先輩って何も言わなくても仕事ができるから後輩からすれば見ればわかります。
後輩はつねに先輩を見ています。
そして、わりと粗を探しているケースが多いのです。
良い部分だけを見てもらえるようになるのは、よほど信頼関係ができてよくコミュニケーションをとり、自分の哲学を伝えることができてからです。
常に後輩からは「監視されてる」覚悟を持っていると上手くいきます。それだけの覚悟が必要だということです。
たまに先輩で、「後輩の立場が1番楽だよなぁ」と言っている人いませんか?
つまり、つねに集中して考えて仕事しないとダメだから、ものすごく疲れることなんです。
先輩という立場を甘くみては決していけません。後輩ができたら雑用やらなくていいや、とか考えてしまうのは言語道断、ありえないことなので注意をしていきましょう。
後輩ができる前から人間性を上げよう
ここまでは後輩ができてからが大変だというお話をしていきました。
ですが後輩ができてから慌てて自分を見直そうでは到底遅いんです。人間はそんなに簡単に自分を変えることはできません。
こうした人間性は、後輩先輩の立場に関係なく、常にみがきあげる努力をしなければいけません。
人は考え方で人生が決まるといっても過言ではありません。自分に強欲で、他人のことが二の次ではダメなんです。
私たち美容師の仕事はどこまでいっても「人」ありきの仕事。お客様、スタッフ、関係ディーラーさん、メーカーさん、全て人で成り立っています。
自分がいかに関わる人に感謝の心を持ち、それを後世に伝えていく心を持てるかで、自分へのリターンも変わっていきます。
人間性のなっていない人は、まずは自分へのリターンを考えがちです。
自分のできる限りを人にご奉仕することこそ、自分への最大のリターンと考えることができれば、心も生活も豊かになれます。
つねに人間性をみがきあげる努力をしていきましょう。
まとめ
先輩と後輩の関係性というのは、私みたいな昭和世代と、平成令和の時代とは価値観が違うように思います。
美容師の流行はサイクルというのがありますが、こうした関係性にもサイクルがあるように思えます。
同時に普遍的な価値というのもあり、人に感謝の心を持つという価値観はいつの時代においても重要だと私は思っています。
先輩が後輩に、親が子供に、友達同士など、どんな立場においても感謝の心から始まり、つねに継続できる関係性は強固なものになると思います。
美容師においても、後輩ができたら感謝の心構えから入ると良いと思いますよ。
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