若手美容師も知っておきたい!社会保険とは

・美容学生のかたは求人情報のどこを見ていますか?
・若手美容師のかたは給料明細をみてなんでこんなにいろいろ引かれるの?と思ったことはありませんか?
・美容師のみなさんはお金の勉強はしていますか?

美容師の離職の理由の一つにお金の不安はつきものです。

特に大きな額を引かれるのが【厚生年金】【健康保険料】です。
なんのために払ってるの?とおもうかたも多いのではないでしょうか。

この記事では【社会保険】が美容師にとってどうメリットなのかを解説していきます。

-至田 健三(しだ けんぞう)-
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる

年金とは?

そもそも年金って何?とおもう若い美容師さんもいらっしゃるかとおもいます。

一般のサラリーマンや公務員などは定年という制度があるため、一定の年齢で仕事が終わり、収入が途絶えます。
そうした働けなくなった人への定期的に給付されるいわば老後の生活費(給料)が年金に当たるものです。

美容師という職業に定年はありませんので、生涯現役でいこうと思えば働ける職種です。

ではなぜ払わなくてはいけないのか?

年金を支払うのは国民の義務です。

美容師も老後は収入が減ることが予想されます。

美容師の将来として、現役でハサミを握ることや、ある程度の規模のサロンにおいてはマネージメント(スタッフ管理等)、サロンオーナーになるなどのさまざまな選択肢が考えられますが、どちらにせよ亡くなるまで安定した収入を得られるのはなかなか難しいものです。

私も40歳を超えた今、現場でハサミを握りお客様を担当しながら、経営にあたり、日々お客様やスタッフ、家族を守るために必死に働いています。

ですが同時に20代や30代のころのような体力を維持するのは難しく、疲れを感じたりすることも増えてくるようになりました。
若いころは想像もしてなく、先輩方には年取ったらわかるよなんて言われはしたものの、正直何を言ってるのかわからなかったです。(なるべく老化を遅らせようと努力はしてますがw)

ただ、年齢とともに体力は落ちますが、知識はついてきます。

美容師も投資などさまざまな資産形成をする方法もありますが、国の年金制度は基本的な将来の安定的に給付される収入で、いわば老後の生活の【補償】に当たるわけです。

また、年金制度は現役の私たちが納める年金で、現在の年配者の年金の需給金になっています。

正直若い人は少子高齢化で自分たちはもらえるのか?
もらえないなら年金なんて払っても意味ないじゃん!と思うかたも多いはずです。

ですが、そこは日本の今を作り上げてきた日本の【先輩たち】に敬意をはらい、支えるんだ、という謙虚な気持ちをもって頑張らなくてはいけないことなのでしょう。

国民年金と厚生年金の違い

年金には種類があります。

大きく分けると【国民年金】【厚生年金】です。

国民年金というのは年金の基礎の部分で、20歳から40年間かけ続けて65歳からおよそ月6万5000円がもらえる制度です。(2024年現在)

昨今の美容室の求人では社保完備というのがよく目につきますが、これは厚生年金に加入するということです。

厚生年金は会社が半分負担するので、自分がかけた分の倍額をもらえるという制度。
国民年金よりも受給額が倍くらい違うのに、自己負担は半分でいいので圧倒的に厚生年金の方がお得です。

掛け金は給料によってことなります。
給料が高ければ、納める金額も高くなりますが、その分受給額も変わってくるのです。
正確な額はいえませんが、月に13万円の受給額くらいにもなるので、国民年金よりも老後が安心できると言えそうです。

美容師はどうしても体力勝負なので、若いうちに頑張っていっぱい稼いで厚生年金で積み上げておくのが良いのかなと思います。

国民皆保険、医療保険制度

給料明細の控除の欄で年金相当にたかいのは健康保険料です。

医療費というのは高額で、風邪ひいて診察受けて薬もらうだけでも本来なら1万円ほどかかるものが、国民皆保険制度により3割の負担、約3千円ほどで医師の診断を受けられるという制度です。

この健康保険料も社保完備のサロンは会社が半分払ってくれるのです。
現在、社保完備のサロンにお勤めのかたは、給料明細にのっている健康保険料は、本来ならその2倍の金額を納めなければいけません。

つまり、転職をして業務委託、もしくは社保完備ではないサロンに転職をすれば、収入が同じであれば今までの2倍の保険料がかかるということです。
これから就職するというかたでしたら、社保完備のサロンは必須だといえそうです。

病気もケガもしてないし病院も行かないのに払わなくてはいけないんだろ?と若いかたは思いますよね。

私も正直いってなんで?と思っていました。

ですがケガや病気になるリスクというのは全員あるものです。
そのような不測の事態に備えるという意味での【保険】という意味もあります。

また、みんなで支え合いましょう、といった日本の文化のような捉えかたもあり、自分だけ良ければ良いといったマイナスな考え方をせずに助け合おうというプラスの考え方の象徴のような制度かな、と私は思っています。

人はプラスの考え方をすれば、プラスの人生の結果になります。

そのように良き想いを心に秘めて生活することが大切です。

合わせて読みたい:いい美容師になるためのマインドセット

社会保険での正社員と業務委託の違い

正社員にとって社会保険とは守られる権利のようなものです。
考え方によっては給料の一部だととらえるのも間違いではないと思います。

業務委託の美容師さんは、正社員ではないので社会保険料は全額自己負担。
つまり守られる権利がない、ともいえそうです。

年金と健康保険料の負担は現役世代にとって、決して低い額ではありません。

正社員の働きかたは、時間の拘束があるのと、達成しなければならない数字(売上)はつきものです。

対して義務委託は時間の拘束も正社員ほどではなく、比較的自由に働けるスタイルだといえます。

ですが、業務委託はノルマなどがないぶん、売上がなければ収入もありません。

つまり、業務委託は、売上を上げる実力がなければ決して自由な働きかたではなく、むしろ正社員より長い時間働かなければ生活ができない、自由はないともいえます。

美容師はまずは実力をつけなければいけないので、正社員で社会保険完備のサロンで教育をしっかり受けられるサロンがベストかと思います。

まとめ

社会保険料は年々上がっていて、もはや給料の一部と考えるのがマストです。

美容師の働きかたが多様化する現在において、保証がきいて安心して働くか、全てを自分の責任で働くかを選ぶことです。

そのときの判断材料としては、自分のスタイルはどちらがあっているか?ということ。

どちらの働き方もメリットとデメリットを持ち合わせます。

中でも社会保険が完備されているかそうでないかは将来の所得を含め、大きな差が出ます。

長い人生の中で、今さえよければいいのではなく、先のこともきちんと考えて将来への投資も頭に入れておきたいものです。

美容師もお金の知識をつけて、エンジョイ美容師ライフをしてほしいですね。

 

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