男性美容師の皆さんは女性心理を理解できていますか?
男性にとって女性の心理は謎が多いもの。
もともと美容師の業界はお客様もスタッフも女性の世界でしたが、私が美容師業界に入った「カリスマ美容師」の時代あたりに男性美容師の数も一気にふえ、2020年代になりメンズ美容ブームでサロンに男性のお客様もふえています。
弊社サロンにおいても、2010年代は男性のお客様比率は30%程度でしたが、2020年代に入り、50%にせまる勢いになっています。
そういった環境下にある美容業界において、男性からみた女性心理と女性からみた男性心理には違いがあり、お互いに理解に苦しむこともあるのではないでしょうか。
今回の記事では、男性と女性の心理の差から、男性が女性にどのようなアクションをすれば納得してもらえるのか?
具体的なポイントと共に解説していきます。
*女性版心理5選も紹介しています。そちらの記事も参考にしてみてください。
合わせて読みたい:女性美容師がサロンで使える男女の違いの心理学5選
前提:あくまでも傾向の話で、全ての人に当てはまるわけではありません。男性女性の中にもいくつかのタイプがあるので、参考にしてみてください。男女間での会話がまろやかになること間違いなしです。
参考文献:察しない男、説明しない女 著五百田達成
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる
女性は察する
私が女性スタッフと会話をしていてよく感じるのが「察する能力が高い」ということです。
女性はさりげなく周囲の観察をつねに行っていて、ちょっとした人の感情を読み取るのが上手な人が多いです。
そういった特性から、普段の会話においても男性は女性に対し「今日、いつもと雰囲気違うね」などさりげなく変えた髪の分け目や、いつもと違うアイシャドーの色などを「いいね」とニュアンスで伝えることができると喜びます。
サロンにおいても女性には最初のご要望を聞いて、「こんな感じですね〜」といったニュアンスでわかりますよ〜と理解をし、仕上がりがお客様の言っていた感じに近づけば「わかってくれた〜」となってご指名をいただくことが多くなるのです。
つまり、男性もできるだけ女性を観察し、普段から察することができるようになると良いでしょう。
女性は感情で話を聞く
男性と女性の脳はそれぞれ特性が違います。
“女性脳は、左脳と右脳を結ぶケーブルのような役目をする「脳梁(のうりょう)」が太く、感じる領域である右脳と、言葉を操る左脳の連携がいいとされています。”
参考文献:察しない男、説明しない女
この太いケーブルのおかげで女性は一度に大量の情報を処理することができ、たくさんの情報を常にリサーチしています。
一般的に気が利く女性が多いのはそのためです。
当社のスタッフでも掃除などの細かいことに気が付くのは女性スタッフが多いです。
デメリットとしては、情報量が多いため決断がにぶりやすいといったところ。悪く言えば常に気が散っている状態と言えるでしょう。
美容師に置き換えると、男性にカットの指導をする際に、展開図など図解に表して説明すると伝わりやすいのですが、女性に展開図の説明をすると理解されにくいです。
私は美容の仕事は「ニュアンス」と「論理」の両立が理想と考えます。
ですが、女性に論理をまくしたてて説明してしまうと嫌がられますし、そもそも聞いてません。
お客様にカウンセリングで仕上がりの共有をするさいもあまり論理立てて伝えるのではなくニュアンスで伝えて上げると伝わりやすいです。
ただし、無茶な希望で答えられない場合は説明をする必要があります。
例えばブリーチしたところに縮毛矯正をかけたいと言われたときに「15レベルの髪は内部のタンパク質量が何%減少していて、〜の〜がこうで、、、」などどといった細かい論理で言うよりも、「やってみないとわからないけどこの状態で縮毛矯正かけたらチリつくと思いますよ!」みたいな大きなニュアンスで伝えたほうが理解されやすいのです。
女性に伝えるときは「なんとなく〜で、こんな感じがいいよね〜」などニュアンス重視で伝えると良いかと思います。
女性は横社会
男性と女性では、関係性のルールが違います。
女性は「団結」つまり横社会を大切にします。
初対面の場においても上下関係を模索するようなことがないため妙なプライドもでず、割とすぐに打ち解けます。
ちなみに男性は「縦社会」で生きています。
男性のそういった視点からすると、ちょっと理解しがたい関係性です。
団結を大切にする女性は、自分の成績のために人を利用することがなく、自分が成果を出せそうなアイデアがあったとしても、同僚を出し抜くことができないので、そのアイデアを引っ込めてしまう傾向があります。
「本当はこうした方がいいと思うんだけど、黙っておこう、、、。」
こういったケースはサロンの現場においても女性同志ではよくみられる光景。
そんな時に男性スタッフがさりげなく「〇〇さんはこう思ってるんじゃない?わかるよ〜」など声をかけてあげて、色々話し出してくれたらあとはひたすら聞いてあげましょう。
決して論理で「でも〜だからこうしてあ〜したらどうかな?!」などアドバイスは禁物です。
女性は言われなくてもわかっています。
そこをほじくられるとウザイんです。
そういった女性の気持ちを察してあげることにより、女性の心はスッキリしてくれます。
あとは見守るだけです。
難しいのは評価制度です。
会社の評価制度は、わりと男性目線で作られてる傾向にあり、女性の横社会の目線では作られていません。
これに理解を示せない女性も多く、結果を出さないと給料があがらない美容師の世界において苦しむ女性も多いのです。
そんな女性にさりげなく結果を出してもらえるよう配慮をし、さらに周りへの根回しをしながらサポートができると、女性はより一層輝くことができます。
また、女性のお客様との会話で普段のコミュニティ(職場、学校、習い事など)の話になったら「仲良しなんですね」といった具合に周りの人間関係を尊重されるようなニュアンスは喜ばれます。
常にみんなで一致団結、事を荒立てないようにしよう。
これが女性の思考回路といっても良いでしょう。
女性は「おままごと」で育ってきた
子供のころの遊びといえば、女性は「おままごと」で育ったかたも多いはずです。
女性は、おままごとの世界観なので、おままごとという遊びにゴールはありません。
そして女性は変身願望がつきもので、常に自分が変身できるのではないか、といった心があるのです。
白馬に乗った王子様が今の自分を救い出してくれて生活を一片させてくれる、普段のメイクでちょっと変化させて自分を変身してみる、などおままごとという遊びの特性の「みんなで楽しく仮想世界を作り上げる、協調性が重んじられる世界観」が現れる傾向にあります。
男性はチームスポーツで育っているケースが多く、役割がはっきりした方が動きやすいのですが、女性はあまり明確に役割を細分化しなくても、全体のバランスをみて行動してくれます。
ポイントは日々の女性の細かな変化に気づけるかどうかと、協調性や雰囲気を大切にする言葉を投げかけること。
男性が女性に声をかける際は、「みんなで頑張ろう!」や「今日いい感じだね!」「大丈夫?」など雰囲気を上げるような言葉と日々の変化を察してあげること。
モチベーションさえ高まれば細かな指示をしなくても気をきかせて動いてくれます。
そういったことを男性は面倒だな、と思ってはダメです。
女性のお客様との会話は世間話からふくらんでいくパターンも多く、男性からしたら今日の天気の話が何が意味あるのかな?と思うかもしれませんが、天気の話から「寒いからお鍋食べたくなりますよね」「そういえばあそこのお店のお鍋美味しいですよ」「あそこのお店の大将気さくでいい人ですよね」「出身は葛飾らしいですよ」などいくらでも話が膨らんでいき、そういった会話を楽しむ傾向にあるのです。
注意点:シャンプーやヘッドスパのときはこちらから積極的に話しかけるのは控えましょう。お客様の中にはシャンプーやスパはリラックスタイムで楽しみにきてくださっているかたも多くいらっしゃいます。そういったときの雑談はうっとおしいのでこちらからは遠慮しましょう。お客様のほうから話してくださったら大丈夫ですが。
大切なのは、男性も女性もお互いが理解しようと働きかけ、尊重しあうことが良い関係性を生み出すコツと言えるでしょう。
女性の「かわいい」を理解しよう
女性にとって「かわいい」はさまざまな意味を持ちますが、男性にとっての「かわいい」は見ためのニュアンスの雰囲気を表す言葉です。
女性のかわいいは万能語で、安い値段を「かわいい値段」といったり、スタイリッシュでクールなファッションでも「かわいい服」といった具合です。
英会話のYouTubeでタレントのペコちゃんが本格的に英語を学びたいそうで、なぜかと聞いたら80年代のアメリカドラマが好きで、英語がかわいい!と思ったそうです。
ちょっと男性からしたら?ですよね笑
女性はかわいいと言う言葉の裏に「心が揺さぶられた!」「とても気に入っている」といった意味があります。
女性が同性を語るときに「性格がかわいい」や「考え方がかわいい」といった外見ではない要素にも当てはめてかわいいを使うことがあります。
合コンなどで男性が女性にかわいい子紹介して、と言って連れてきてくれた子がちょっと違うなぁ、と感じることが多いのは、女性の視点のかわいいが男性とは違うからです。
だからと言って見ためがかわいい子を連れてきて!と言えば最低だなこいつ、と思われてしまうので要注意ですよ。
とても直感的な要素のため、男性から「リボンのついた服が好きなんだね」などと言われると、「私のかわいいを勝手に決めないで!」とイラっとされてしまいます。
そんな女性にかける褒め言葉は「それ、かわいいね」「自分もそれ好きです」など、あなたが身につけているそれかわいいね、と共感することがとても大事なのです。
サロンにおいてカウンセリングでご希望のスタイルを写真で見せていただいた時に「かわいいヘアスタイルですね」などまずは共感した一言をかけてあげると良いでしょう。
まとめ
男性にとっていわゆる「女心」は正直理解に苦しむことばかり。
ですが女性にとっても男性の心は理解に苦しむことが多いものです。
女性脳は男性には考えられないくらい優れているところがいっぱいです。
これは私の個人的な考えですが、世界のリーダーが全て女性に変われば、きっと戦争もなくなるんじゃないかな、なんて思ったりします。
子供のころに育ってきた環境で、言われてきたことは人格のベースになることがほとんどで、女の子には女の子の対応と、男の子には男の子の対応をされてきているのです。
異性だとどうしても理解できないことで、今回の記事以外でもまだまだたくさんあると思いますが、大切なのは、理解できないから否定するのではなく、「そうなのかあ」といった具合に理解しようとつとめることが大事なのです。
どちらにしても美容師は普段からの美容の情報収集と、自分のデザインの幅を広げること、カットやカラーの似合わせの論理、薬剤知識など必要な要素は多岐に渡り、経験も必要です。
日頃からアンテナを張って、インスタやピンタレストなどの美容の情報で敏感になったり、外部のセミナーなどに行くようにしましょう。
ポイントは、女性の考えを察し、話を聞いて、一緒になって考え、共感すること。
男性美容師の皆さん、ぜひ女性を味方につけて美容師としてのレベルをより上げるよう頑張ってください。
さらに男性と女性の違いを知りたい方はぜひ「察しない男、説明しない女 著五百田達成」を読んでみてくださいね。
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