ブローで作るスタイルは、アイロンでは作れない自然なスタイルです。
2020年代においてアイロンで作るデザインが主流になっていて、ブローってそんなに必要なのか?といった疑問を持たれている若い美容師さんも多いかと思います。
ブローの技術は、くせ毛を伸ばす理論とカールをつける理論、そしてツヤを出す、3つの要素を持っています。
ブローを理解することによって、さまざまなデザインを作る上でどのように作れば良いか、素材によっては難しいなどの判断力をつけることができます。
今回はブローで大切なコツを4つご紹介していきます。
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ブローとアイロン仕上げの違い
まずはブローとアイロンの特徴を見ていきましょう。
- 柔らかい質感
- 根本から方向性を矯正できる
- 自然なツヤ
- 素髮感
- 自然なカール
- 波巻きなどの特殊な巻き方が可能
- しっかり強めのカール
- より強いクセを伸ばすことができる
- 元々の髪質とは異なる質感を表現しやすい
ブローもアイロンも技術によりますが、どちらも上手に使いこなせればとても良いです。
難しいのはアイロンとブローどっち?
結論から言うとブローの方が難しいといえます。
アイロンは160℃以上の高熱で形を作るので、操作が上手くできれば割と簡単に仕上げることができます。
ブローは乾かしながら形を作っていき、ドライヤーの風のあてる方向など、技術が多岐にわたるため難しい技術といえるでしょう。
ではなぜむずかしいブローの技術が必要なのか?
それは、ブローでないと作れないスタイルがあるからなのと、ブローの技術を身につければ髪の毛の特徴を理解することにも繋がるためです。
アイロンで作ればいいのでは?と私も思います。アイロンはお客様でも自分である程度できる技術です。
私たち美容師は髪の【プロ】です。髪のプロがお客様と同じ技術しかできなくて良いのでしょうか?
また、お客様とのお付き合いが長くなり、お悩みのフェーズも年齢とともに変化をしてきたときに適切に髪の状態をみきわめてアドバイスをするためにもブローの正しい知識が必要です。
知識をつけたらとにかく練習をし、上手になれるよう頑張りましょう。
①ブローで乾かす順番
ブローで大切なのが乾かす順番で、1.根元→2.中間→3.毛先の順番で必ず乾かします。
髪の水分量は、根本が多く毛先にいくほど少なくなります。
- 新生部は根元から伸びてくるため、新しい部分はダメージ損傷が少ないため
- 髪は平均1日100本抜け落ちます。カットでもスイたりするため毛先の厚みの方が薄いため
タオルで拭くさいも毛先というよりは、地肌(根元)中心にふいてあげます。
毛先を先に乾かしてしまうとオーバードライの原因となり、パサパサでクセも伸びない状態になってしまうので注意が必要です。
まずはハンドブローで指の腹を使って地肌をこするように乾かしてください。
ただしクセの度合いが強ければハンドブローはしません。
また、クセは根本から伸ばしていかないと伸びません。
毛先の方からクセを伸ばそうとしても、根元のほうが水分量が多いので、順番を間違えてしまうとクセは伸びないのです。
根元のほうがうねりが強いスタイルはバランスが悪い
デザインというのは自由で、好みですからこれでないといけない!というのはありません。
ですが根元がうねりが強く、毛先がうねりが弱いスタイルでバランスが良いというのはあまりありません。
これはカラーでも同じようなことがいえて、根元が明るくて毛先が暗いカラーはあまりウケません。
よっぽどのモードスタイルやコンテストスタイルなど、特殊なケースで用いられるデザインもありますが、一般的な美容室でそのようなスタイルを望まれるお客様はほぼいません。
ですのでブローの技術において、根元のから乾かし伸ばしていくというのは基本となるといえます。
②根起こし
根起こしとは、その名のとおり根元を起こす作業のことです。
髪の毛の特性として、根元が立ち上がると毛先は内巻きに、根元を潰すと毛先は外はねになる習性があります。
この原理を使って上手くブローをすると毛先のデザインコントロールがしやすくなります。
使用するブラシの種類はデンマンブラシが適当でしょう。テンション(引っ張る力)が根元の場合デンマンのほうが強くかかるからです。(毛先のすいてある部分はロールブラシのほうがテンションがかかります)
また、根起こしは根元の方向性をつけると同時にクセも伸ばす作業を兼任します。根起こしを失敗すると、全てのブローが台無しになってしまいますので注意が必要です。
- 乾きすぎてこれ以上クセが伸びない状態
- オーバードライでパサパサな状態
失敗してしまうと濡らさないと直すことはむずかしいです。
根起こしの段階で根元が乾ききっているということは、根元にあてていたドライヤーの熱風が毛先にも余熱で当たるため、毛先はもっとパサパサだということです。
そうならないように水分の飛び具合をしっかりみきわめられるよう練習しましょう。
髪質によっても乾くタイミングなどが違います。ウィッグの練習だけでなく、様々なモデルさんで経験するのが良いと思います。
朝のご家族やスタッフなどの頭を借りて練習できるととても良い練習になりますよ!
③風を当てる方向
ドライヤーの風を当てる方向は、根元から毛先に向かって当てていきます。
理由はキューティクルを一定方向に閉じるようにするためです。
髪のツヤとは、光が髪の表面に当たったとき、反射が一定方向なときに綺麗になります。
キューティクルとは髪の表面に存在する鱗のような髪の膜で、濡れているとこのキューティクルが毛先に向かって開いて立っている状態なのです。
これを綺麗にするのに風を根元から毛先に向かって当てていくのです。
④ロールブラシで艶とカールを出そう
最後にロールブラシをいれてキレイにしていきましょう。
- 毛先の枝毛を綺麗に馴染ませる
- カールをつける
おもにこの2点です。
毛先の梳いてある状態など薄くなっている部分はロールブラシでないとテンションがかかりません。
ブローで大事なことはテンションがしっかりかかることです。
ロールブラシはデンマンブラシに比べて目が細かいのでしっかり髪がかんでいきます。
しっかりテンションがかかれば、カールをつけながら引っ張ってクセを伸ばし、枝毛を馴染ませることができるのです。
ただし、根起こしの際にはデンマンブラシでやることをオススメします。
なれてくるまではベーシックの段階ではきちんとブラシを使い分けてブローをするようにしましょう。
いい感じのブローの質感が分かってきてからロールブラシ1本で挑戦してみると良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介したブローのテクニックはあくまでもベーシックです。
応用したらコテで巻いたような質感をブローでできたり、外はねスタイルも作れたりします。
先ずは根元から毛先までキレイにクセを伸ばすことをしっかり身につけましょう。
そして、ぜひ試してみていただきたいのが、キレイにブローした状態でアイロンで巻いてみるのと、そうでない状態で巻いてみる2つのスタイルを作ってみてください。
ブローでキレイにした状態のほうが全体のスタイルがはるかにキレイに見えるはずです。
ブローは難しい技術です。お客様でブローをキレイにできる方も少ないので、喜んでもらえるし、技術力があるなと思ってもらえれば、信頼を掴む1つの武器になるはずです。
むずかしい技術ではあると思いますが、今回ご紹介したベーシックを守れれば失敗することはないはずです。
ただ、頭で理解できたとしてもあとは手を動かしてひたすら練習するしかありません。
頑張って繰り返し練習し、分からなくなったら何度でもこの記事を読み返してくださいね。
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