遅刻をする美容師が大成しない理由

美容師は時間との戦いの職業です。

1人のお客様に長い時間かけて施術することが必ずしもイコール丁寧ではなく、良い仕事を早い時間で終わらせられる美容師のほうがお客様に支持されています。

美容師にとって「時間」というのは大切なことです。

美容師が遅刻をすると信頼を失うどころか売上も上がりづらくなります。

遅刻は信頼を失う。これは美容師に限らずどの業界にいても変わりありません。

当然美容師もその真意は同じなのですが、美容師は特に遅刻してはいけない理由がロジカルに存在します。

「遅刻する=美容師として大成しない」その真意を解説していきます。

-至田 健三(しだ けんぞう)-
・美容師歴24年/美容室2店舗の経営者
・10年連続グループ売上No.1
・最高月間指名売上200万円以上
・100名以上の美容師の育成に携わる

 

悪い口コミで多いのは予約したのに待たされた

集客において、口コミというのは非常に大きな事案です。

口コミで多いのが良い評価です。お客様の真理として良かった、という感情のときは口コミを書きたくなるのですが、その逆のケースもあります。

低評価のときはよっぽど嫌なことがあったときに書くものですが、とりわけ多い印象なのが「待たされた」という趣旨の内容です。

金町美容室

予約というのはお客様にとってその時間を買う、ということになりますが、約束された時間を守らないというのはお客様からしたら傲慢という他ありません。

サロンワークにおいて美容師の時間の意識というのは、売上を上げるという観点においてもとても大切です。

時間をかける=丁寧であるというわけではなく、むしろお客様のご要望のヘアスタイルを予定より早く仕上げられれば、お客様からすればその後の予定に余裕ができるので嬉しいのです。

時間の意識を最大限持つには、サロンワークだけでなく、普段から余裕をもった行動をクセつけておくと良いでしょう。

私は約束があった場合などは必ず現地の20分〜30分ほど早めに行くことを心がけています。そうすることによりイレギュラーなことがあっても、遅刻はしません。

普段からそういった意識でいれば、お客様のお時間も大切に考えることができます。

お客様の5分の価値を意識しよう

私の価値観ですが、サロンワークにおいて、ご予約のお客様は「3分」待たせてギリギリ、「5分」待たせてアウトです。

この概念を持っておくと、サロンワークにおいて言動発言が変わってきます。

美容師はどうしても忙しくなってくると5分くらい待たせても、、、というような甘い考えになりがちです。

美容師はいっぱいいっぱいになってしまっているので、つい自分本位に考えがちですが、「5分待たせたらアウト」これを常に念頭におけば、3分お待たせしてしまったらお客様に申し訳ない気持ちが芽生えます。

そうすれば第一声で「お待たせしてしまって申し訳ありません」が当たり前に出てきます。

お客様の中には5分くらい大丈夫だよ、と優しいお言葉をいただける方も多々いらっしゃいますが、プロとしてはそこに甘えてはダメなのです。

お客様の貴重な5分を甘くみる人は売上を上げることは絶対にできません。

ではお待たせしないには予約に余裕を持って取れば大丈夫なのでは、と思うかもしれませんが、それではダメなのです。

その理由は次項でお話します。↓

人時(にんじ)生産性という概念

人時生産性とは、1時間の労働に対し、1人でいくら売り上げを上げるかの数値を表します。

美容業界においては、1時間6,000円、月間80万円という数値が出せれば悪くないといえるでしょう。

美容師においてこの数値を出すのには様々な戦略がありますが、例えば1,000円カットは10分で1人、1時間で6人カットするのが良いとされています。

これを、美容師が勝手な思い込みで早すぎても雑に思われるかもしれないから20分で1人にしよう、となれば人時生産性は理想の半分の3,000円になります。

そうなれば利益も半減しますので、売上や給料にも影響が起きてしまいますし、その他の条件にも影響が出るでしょう。

お店は利益がでなければ運営はできません。

カット代が4,000円のお店なら、1人の美容師で40分で仕上げまで、アシスタントがいればその倍です。

5分以上お待たせすることがNGの大きな理由の1つは人時生産性にあります。

カット代4,000円のサロンで1時間に1人しかカットしないのであれば人時生産性は4,000円、つまり適正な利益は確保できません。

4000円のカットを1人で2時間で3人カットできれば適正です。

まして1時間30分で1人ならカット代を9,000円いただかなければいけません。

表参道や青山のハイエリアでも2023年現在においてはカット代で9,000円以上の美容師はひと握りしかいない印象です。

もちろんブランディングできていたり自己発信力をあげれば可能です。

業界全体が技術料金の値上げが進めばありえる話ですが、自分でコントロールできることではないのであまり現実的ではありません。

人時生産性を上げるにはまずは時間を意識することが大切です。

時間は財産

世の中にはさまざまな立場のかたが存在しますが、どんな人でも必ず平等なものがあります。

それは1日24時間、1年365日という揺るぎない現実で、その時間においてみんなそれぞれの価値観で生活をしています。

私があってきたなかで、えてして収入が高いかたの印象は、やりたいことがたくさんあって、1日24時間じゃ足りない、といっているかたが多いです。

ぼーっとしてても、本を読んでも、人と会っても、テレビを見てても同じ1時間です。

人との予定に時間を使うというのは相手にその時間をいただくことになります。

自分はそんなに時間とか気にしない、と思っていても、相手からしたらその時間は貴重な時間です。

大袈裟かもしれませんが時間は財産です。

人時生産性、美容師金町葛飾区

相手の時間をいただく場合には、遅刻するということがいかにダメなことなのかを知る必要があります。

お客様にとっても美容室にくる時間は忙しい合間を縫ってくるかたがほとんどです。

人時生産性6,000円はあくまで目安で、カット代5,000円で30分で仕上げれば、人時生産性は1万円です。

さらにお客様にとってとても早くて上手い、と価値を感じてくださるかたもいらっしゃいます。(収入の高い忙しいかたに多い印象です)

仕上がりが良く、時間もすぐ終わればそこに価値を感じ、割引しなくても定期的に通ってくださるかたも多くいらっしゃいます。

そういったかたをファン顧客にもつ美容師は人時生産性も高いのです。

時間の意識を持つ(時間の価値を知る)
   ↓
多くのチャンスが舞い込む
   ↓
指名数など結果につながる
   ↓
自由度が増す

遅刻は信頼=仕事を失う

遅刻をしてしまうと売り上げが上がらないことはご理解いただけたでしょうか?

ここからは、遅刻=成長スピードが遅くなる。

こちらを解説していきます。

遅刻する人に大事な仕事は任せられない

遅刻=信頼を失う=スタイリストや店長に大事な仕事を任せてもらえない=成長が遅い

アシスタントやジュニアスタイリストの成長スピードに欠かせないのは経験です。

いくらオンラインでカット動画を見ようが、上手い人の話を聞こうが、経験を積まなければ上達はしません。

お客様は経験のためのモデルではありません。

スタイリストはどのお客様も失敗は許されない緊張感のもと施術しています。

入客指示をする店長にとっても若手にお客様を振るには不安があるもので、自分が担当したほうがよっぽど気楽でしょう。

そういった大事な仕事を人に任せる時の最終判断の中に「信頼」という基準があるのです。

撮影金町美容室

信頼はそう簡単に得られるものではありません。普段からの行動発言が大きな信頼へと積み重なります。

しかし、信頼を失うのは一瞬で、中でも遅刻は一瞬にして信頼を失います。

そうなれば当然大事な仕事を任せてもらえず、自分の経験値が上がらないので成長スピードが遅くなってしまうのです。

私もかつて1度だけ仕事に遅刻をしてしまいました。大事な撮影の日です。

撮影の前日、仕事仲間との飲みの約束があり、つい熱く仕事の話で盛り上がってしまい深酒をしてしまいました。

いつもならそれでも目覚めるのですが、その日は体調の影響もあったせいか起きれなかったのです。どんな理由にせよ、せっかくのチャンスを自ら踏みにじってしまいました。

そして何より私の遅刻により、代役を担ってくれた人にも大きな迷惑がかかってしまったのです。

私はその失敗で失った信頼を取り戻すのに、普段の3倍がんばって取り戻しました。誰よりも先にお店に出勤し、1番最初に掃除を始め、しばらくは休憩時間も返上しました。

それくらい信頼を取り戻すのは大変だということです。

その後具体的な遅刻対策として私がとった行動は、目覚まし時計を3つ以上セッティングしました。今ではスマホのアラームですが、必ず5回はなるように設定しています。

絶対に遅刻をしない!という意識を強く持つことにより先を読む力、リスクマネージメントの向上に繋がります。

練習会の開始時間はどこから?

練習会や講習会にて何分前にどう準備するべきか?

例えばお店のレッスンで、無償で先輩が見てくれる場合は、8時開始と言われているならば、8時には練習をスタートできる状態にしておくことで、教えてくれる人が前向きに教えてくれるようになります。

社内の練習会以外に、(会社負担 or 自己負担どちらであっても)社外で参加するセミナーなどでも同様です。

教えるほうも人ですので、教えてもらう態度が素晴らしい人には講習以上のポイントなども伝えてあげたくなるものです。

教えてもらうのが当たり前といった態度で望めば、当然相手にも伝わります。

そうなれば最低限のことしか教えないのが人の常です。

やはりここでも早めの時間に行動することが、事前の準備が良い練習会になるコツなのです。

礼儀や礼節を大事にしたり、前向きに練習に取り組むことは自分へのリターンも大きいでしょう。

まとめ

美容師という仕事はやればやるほど上手くなる職業です。

その際に大切なのが経験です。

経験するにはまずは仕事を任せられるような人間性を身につけ、誰にでも信頼されるようにならなければいけません。

これには相当な時間を要します。

普段の生活がチャランポランだといざという時に悪いものが出てしまいがちです。

1日でも早く良いスタイリストになりたいと思っているかたは是非普段の生活態度から見直し、自分を律するところから始めてみてください。

そうすれば遅刻は絶対なくなりますよ^^

 

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